コラム

はじめてのオリゴ糖ガイド|腸活にどう役立つ?

「腸活にはヨーグルトなどの発酵食品がいい」とよく耳にしますが、実はもうひとつ、欠かせない存在があります。それが「オリゴ糖」です。

オリゴ糖は、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌の“エサ”になる糖。つまり、腸内の善玉菌を育てて増やす役割をもっています。このコラムでは、そんなオリゴ糖のはたらきと、上手な取り入れ方についてご紹介します。


オリゴ糖とは?ただの甘い糖じゃない


「糖」と聞くと、「甘くて太りそう…」というイメージがあるかもしれません。でもオリゴ糖は、私たちが普段エネルギー源として使うブドウ糖(グルコース)や砂糖(ショ糖)とは別物です。

オリゴ糖は、糖が2~10個程度つながった“少しだけ長い糖”のこと。胃や小腸では消化・吸収されにくく、そのまま大腸まで届きます。

そして、そこに住む善玉菌(特にビフィズス菌など)がオリゴ糖をエサにして活性化。善玉菌の増殖をサポートし、腸内環境の改善につながるのです。


善玉菌とオリゴ糖は“名コンビ”


乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、腸内の環境を酸性に保ったり、バリア機能を高めたり、免疫をサポートしたりと、私たちの健康に欠かせない存在です。

ただし、こうした菌たちは腸内でうまく生きられなければ、効果を発揮できません。そこで大切なのが、「菌を育てるためのエサ=プレバイオティクス」。その代表選手がオリゴ糖です。

善玉菌を“とる”(プロバイオティクス)だけでなく、“育てる”(プレバイオティクス)も意識することで、腸活の効果が高まります。この組み合わせは「シンバイオティクス」とも呼ばれ、最近の腸活のキーワードになっています。


オリゴ糖の種類と特徴


オリゴ糖にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴があります。代表的なものをいくつかご紹介します。

それぞれ相性の良い菌や効果が異なるため、自分の体調や目的にあわせて選ぶのもおすすめです。

➡️詳しくはこちら:オリゴ糖どれを選べばいいの?|原料の違いと特徴<近日公開>


オリゴ糖を含む食品と効果的な摂り方


オリゴ糖は野菜や果物などの食品にも豊富に含まれています。代表的な食品は、

  • ごぼう
  • 玉ねぎ
  • にんにく
  • バナナ
  • アスパラガス
  • 大豆製品

などです。オリゴ糖を含有したシロップや甘味料を利用するのも手軽でおすすめです。ヨーグルトにかけたり、飲み物に混ぜたりして続けやすい方法を見つけましょう。


どんな人にオリゴ糖が向いている?


  • 便秘がちな方やお腹の調子を整えたい方
  • 腸内環境を改善して免疫力を高めたい方
  • 砂糖の摂取を控えつつ自然な甘みを楽しみたい方
  • 手軽に腸活を始めたい方

に特におすすめです。

ただし、オリゴ糖は摂りすぎるとお腹がゆるくなることがあるため、はじめは少量から様子を見て徐々に増やすのがポイントです。


まとめ


オリゴ糖は砂糖とは違い、消化されにくいことから善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える重要な役割を持っています。ヨーグルトなどの発酵食品と組み合わせて、「シンバイオティクス」の効果を最大化し、健康的な毎日をサポートしましょう。

監修:藤田孝輝

1960年生まれ。理学博士。1985年山形大学大学院農学研究科修了後、塩水港精糖㈱入社。在籍中に乳糖果糖オリゴ糖製造酵素生産菌を発見。この発見は、家庭用オリゴ糖類食品の国内での普及に大きく貢献。同社糖質研究所研究室長、研究所長を経て、同社常務取締役生産開発グループ長、関西製糖㈱代表取締役社長を歴任。山形大学・日本大学・園田学園女子大学・熊本大学・愛国学園短期大学にて非常勤講師も務めるなど、教育活動にも携わる。現在は塩水港精糖㈱理事・糖質研究所長、日本応用糖質科学会理事を務める。

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