コラム

オリゴ糖どれを選べばいいの?|原料の違いと特徴

「オリゴ糖が腸活に良い」といっても、その種類によって特徴や働きはさまざま。自分の目的や体質に合ったものを選ぶことで、より効率的な腸活が可能になります。
今回は、代表的な4つのオリゴ糖について、それぞれの性質とおすすめの活用シーンをご紹介します。


乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)


砂糖と乳糖から作られたオリゴ糖で、乳糖に果糖1個がつながった構造をしている三糖類で、砂糖に近い甘味を持ちます。
「整腸を目的とした特定保健用食品(トクホ)」において、オリゴ糖を関与成分とした許可数が最も多い代表的なオリゴ糖で、トクホ表示では「乳果オリゴ糖」と記載されます。最小有効量が少なく(少量で効果があり)、最大無作用量が多い(たくさん食べてもおなかが痛くなりにくい)ことも特徴です。カロリーはお砂糖の約半分です。


フラクトオリゴ糖


砂糖を原料に作られたオリゴ糖で、玉ねぎ、バナナ、にんにくなどの野菜や果物にも自然に含まれています。
フラクトース(果糖)が2個以上連結した構造を持ち、乳糖果糖オリゴ糖と同じく、砂糖に近いクセのない甘さが魅力です。カロリーはお砂糖の約半分です。


ガラクトオリゴ糖


乳糖を原料とし、母乳にも含まれるオリゴ糖で、乳児向けの粉ミルクにも使われています。乳糖にガラクトースが1~4個結合した構造をもち、スッキリとした味わいが特徴です。熱や酸に強いため、フルーツ漬けや缶詰などの加工食品にもよく利用されています。カロリーはお砂糖の約半分です。


イソマルトオリゴ糖


トウモロコシなどのデンプン由来で、グルコース(ブドウ糖)が3~7個結合したうち分岐構造をもつオリゴ糖の総称です。清酒、みりん、醤油などの伝統食品にも微量含まれ、加工食品では粘度調整や保湿性など物性改善の目的で幅広く使われています。熱や酸にも安定で扱いやすい一方、整腸効果を期待する場合はやや多めの摂取が必要になる点が特徴です。カロリーはお砂糖と同じ程度です。


オリゴ糖の特徴比較まとめ



今日からできる!オリゴ糖の取り入れ方


オリゴ糖を含むシロップは市販でも手軽に購入でき、日常生活のちょっとした工夫で取り入れられます。

  • ヨーグルトにシロップとしてかける
  • コーヒーや紅茶に甘味料として使う
  • パンやフルーツにかける
  • 味噌汁やスムージーに混ぜる
  • 料理に使う砂糖の代わりに(カロリー控えめにも)

摂りすぎ注意!オリゴ糖の適量と使い方のポイント


オリゴ糖は腸に良いとはいえ、一度に摂りすぎるとお腹がゆるくなることがあります。
特に初めての方は、少量からスタートし、体調を見ながら量を調整しましょう。

特定保健用食品で定められた1日あたりの目安摂取量(関与成分の量)は以下のとおりです。

  • 乳糖果糖(乳果)オリゴ糖:2~8g
  • フラクトオリゴ糖:3~8g
  • ガラクトオリゴ糖:2~5g
  • イソマルトオリゴ糖:10g

市販の製品を利用する場合は、パッケージに記載された目安量を守って摂取しましょう。


自分の腸に合ったオリゴ糖を見つけよう


「結局どれを選べばいいの?」と迷うこともあるかもしれません。
そんなときは、味の好み、使いやすさ、価格、入手のしやすさ、効果の有無など、ライフスタイルに合わせた視点で選んでみましょう。

また、体質によってはお腹がゆるくなる場合もあるため、少量から試して自分の腸との相性を確認するのがおすすめです。

さらに、善玉菌(プロバイオティクス)と一緒に摂ると、オリゴ糖の力がさらに引き出されます。
この「シンバイオティクス」は、現代の腸活において注目されているアプローチです。

「自分にとって心地よい腸活習慣とは何か?」を見つけることが、無理なく続けるカギ。
まずは、できることから。小さな一歩で、あなたの“オリゴライフ”を始めてみませんか?

参考情報

監修:藤田孝輝

1960年生まれ。理学博士。1985年山形大学大学院農学研究科修了後、塩水港精糖㈱入社。在籍中に乳糖果糖オリゴ糖製造酵素生産菌を発見。この発見は、家庭用オリゴ糖類食品の国内での普及に大きく貢献。同社糖質研究所研究室長、研究所長を経て、同社常務取締役生産開発グループ長、関西製糖㈱代表取締役社長を歴任。山形大学・日本大学・園田学園女子大学・熊本大学・愛国学園短期大学にて非常勤講師も務めるなど、教育活動にも携わる。現在は塩水港精糖㈱理事・糖質研究所長、日本応用糖質科学会理事を務める。

オリゴのおかげ
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